眠れない夜に  one night side H

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「新しい職場で平社員だろうと、係長のままでいいから」 「アハハハ!あだ名だけは出世したまま」 「そうそう。堀ちゃんが本物の係長になっても、私も係長だからね?」 「はい!私も係長って呼ばれるように頑張ります!」 私は握り拳を作って、ファイティングポーズ。 目指せ!係長! 「それでは、お邪魔しました!凛君、またね」 「ほーぉっ!」 凛君へ手を振ると、小さい手を懸命に振り返す姿に、またもキュン死しそう。 「では、また、連絡します!」 「うん!またね!」 まだまだ名残惜しいけれど、私は係長宅を後にした。 駅に向かいながら、ふあーと欠伸を一つ。 昨日は夜更かししすぎたなぁ… 女友達の少ない私にとっては、気を許せる人は限られていて、係長はその貴重な一人。 だから、久しぶりに会って、テンションが上がって、しゃべりまくってしまった。
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