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それが、気持ちのいいものである筈が無い。だが、酒出はそうありたいと、どこかで願っている。
「未来の美人を、あれ以上減らさずに済んだと考えりゃ。今回のヤマの結末は、良かったのかもしれんな」
酒出は、そう呟く。
いつの時も、そうして妥協点を見つけ出し気持ちを切り替える。
「そして、未解決のヤマが解放したしな」
酒出は、駅前に出てタクシーを拾った。
行き先を告げ、後部座席に背を預けると、浅い眠りに落ちていく。
そして、夢を見る。
天使の笑顔を浮かべる、愛娘の夢を。
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