第五章 震える王都

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「新しい命令が下った。」 小隊長井上の声が響く。 「えー、国境付近にアンデッドが確認されたそうだ。」 「アンデッド...?」 「ああ、そうだ。まぁ、所謂ゾンビってやつだ。それで、だ。我が小隊はこれの掃討を行うことに決まった。ネストリアが降伏しない以上、我が軍は進撃を続けなければならない。進撃するためには、国境を越えなければならないそうだ。」 「隊長、殲滅作戦は我が小隊単独で行うんですか?」 「そうだ。本当ならもっと大規模でもいいはずなんだが、あー、王宮の一件でな。戦力が足りないそうだ。王都もまだ完全に制圧した訳じゃないしな。」 ふむ... 「まぁ、安心しろ。アンデッドは幸い動きも遅いし噛まれるのだけ注意しておけば問題ないそうだ。」 「では、解散。」 越境... それはネストリア本国の正規軍との戦いを意味する。 いままで戦ってきた部隊は、言ってしまえば素人集団だった。 組織性があまりなく、命令に従わされひたすら突撃する... そんな感じだ。 正規軍に関して、注意しておいて損はないはずだ。 佑都はそう感じた。 「作戦はこうだ。」 井上が作戦内容を説明し出した。 「まず、森の入り口の道にバリケードを張り、銃座を設置する。」 「アンデッドは音に反応し集まってくるそうなので、おびき寄せ、一網打尽だ。」 「どうやっておびき寄せるんです?」 井上が隊員を睨み付けた。
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