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「クソ!特攻!特攻だ!生け垣に隠れてやがる!」
特攻...
魔法使いがよく行う攻撃法で、普通の兵士に魔法をかけ、敵に突撃させる。
突撃した兵士は体内のすべての力と引き換えに地面に流れる魔力を爆発させる。
もちろん、兵士はバラバラに吹き飛び肉片ひとつ残らない。
これを食らうと、戦車でさえも行動不能になってしまった。
「生け垣に気を付けろ!隠れてやがる!」
「前進!前進!」
広場中央は兵士が戦車を待ち伏せしているため、攻撃はできない。
そのため、王宮からの攻撃は止み、広場は不気味な静けさに包まれていた。
「中央を抜けるぞ!!乗り込め!一気に王宮まで走り込む!」
中央を抜けると、魔法攻撃が激しさを増した。
しかし、どれだけ攻撃をしても戦車や装甲車を破壊することは叶わない。
面に対する攻撃は、対人では通用しても装甲には通用しなかった。
「田井中、もう一度降りる準備しとけ、大変なことが起きそうだ...」
佑都は車両の窓を覗きながら言った。
王宮正面の巨大な扉が開かれる。
中から大量の兵士がこちらに走ってくる。
「敵接近!間接攻撃は止んでる、降車!降車だ!」
兵士達がぞろぞろと降り立つ。
佑都の頭上で96式の車載機銃が火を噴いた。
重機関銃が唸りを上げ敵兵をなぎ倒す。
その瞬間、凄まじい爆発が起きた。
誰かが叫んだ。
「特攻兵だ!」
特攻兵達は固まって突撃していたため、一人の爆発で連鎖爆発を起こしたようだ。
「気を付けろ!近寄られたら骨も残らん」
兵士が出てきた門が集中砲火に晒される。
車載のグレネードランチャーが撃ち込まれる。
鉄製の扉は地面に倒れ、石造りの壁はズタズタにされ一部は崩壊した。
「突撃!車両を盾にして進むんだ!行け!行け!」
部隊が門を越え王宮に侵入する。
王宮内部の高所から攻撃してきていた敵兵に反撃を開始した。
「糞っ垂れの野蛮人共め!さっきまではよくやってくれたな!ぶっ殺してやる!」
「皆殺しだぜ!」
瞬く間に王宮の外壁は穴だらけになった。
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