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「井上小隊長!この棟の一階フロアの制圧、完了しました!」
井上は頷き答えた。
「よし、この調子で進むぞ。捕虜はエントランスに集めろ」
2階への階段では既に戦端が開かれていた。
「クソ!こいつら待ち伏せてやがったな!」
2階へ続く階段には、踊り場がひとつあった。
敵は2階で待ち伏せ、踊り場に来る者を狙い撃ちにしているようだ。
「このままじゃ埒があかん。」
「どうしますか、隊長」
「手榴弾を投げまくれ!ゴリ押しだ!」
2階に多数の手榴弾が投げ込まれる。
敵はこれがなんなのか、理解できていないようだった。
数秒後、何個もの手榴弾により出来た大きな爆発は待ち伏せしていた敵を一掃したようだ。
「前進!」
小隊は順調に前進していった。
「ここが王の間か...」
蹴破られ壊れた扉を進み、辺りを見回しながら井上が呟いた。
5階建ての王宮中央館の最上部。
部屋は豪華な装飾品や家具で満たされていた。
しかし今、それに見とれている暇はない。
最優先目標の王の逃走経路が掴めないのだ。
捕虜に尋問しても、王族付魔術師に魔法をかけられたようで、言おうとした者は皆血を吐き絶命した。
「めんどくさいことになったな...」
そのときだ。
「クソ!生き残りだ!」
部屋の外の廊下から声が聞こえ、銃声がする。
井上は部屋を飛び出た。
するとその瞬間、凄まじい爆発が起きた。
隊員に引き起こされ辺りを見回す。
回りには数人の倒れた隊員。
そして、壁は吹き飛び空が見えていた。
「どうしたもんか...」
「隊長ー!敵の魔術師の生き残りを見つけましたぁ!」
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