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視界が完全に取り戻されたとき、佑都の目に映ったのは、無惨に崩壊した王宮だった。
「王宮が爆破された模様」
「任務は後回しだ!負傷者を救出しろ!」
「中に何人いたと思ってんだ!糞!」
王宮は、西館は跡形もなく吹き飛び瓦礫の山に、本館は半壊といったところだろうか、救出活動は、この後2日にわたって続けられた。
王都外縁 国境近くの森
「閣下、夜に国境の山を抜けるのは不可能です。近くに検問所を兼ねた集落があります。そこにいきましょう。」
「わかった...とにかく頼むぞ。」
あれだけ沢山の兵士を従えていたサリビア王は、いまや護衛兵は5人だけとなっていた。
「しかし...寂れた村だな。人がいないじゃないか。」
「おかしいですね...我が軍も駐留しているはずなんですが...とにかく隠れ家に向かいましょう」
王宮
田中佑都伍長
負傷者が続々と運ばれて行く。
軽傷の者もいたが、ほとんどは酷い怪我を負っていた。
死者もかなり出ている。
空を見上げると、ヘリが数機夕焼けを背に飛び去っていった。
「田中伍長!ぼーっとしてる暇があったら手伝え!早くしねぇと夜になっちまう」
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