第五章 震える王都

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「それをこれから説明するんだ。軽装甲機動車にスピーカーを取り付けた。こいつで森の中を走ってもらう。これは田中伍長の分隊が担当する。」 「速く走りすぎると見失われるから注意しろ。森深部までは音は流すな、挟まれる。もしものときは車載のミニミで対処しろ。以上。」 「準備砲撃はもらえないんでしょうか?」 「砲撃も爆撃も行う余裕はないそうだ。それに、ネストリア側の町とは距離があるとはいえ、森が消滅したら気がつかれるからな。」 とんでもない作戦だ... 森に踏み込むのが危険なことはわかる、わかるが... 不公平極まりない。 他の隊員の給料も貰わなきゃ割に合わないと佑都は思った。 「あー、それとな。偶然遭遇した特殊作戦群の連中から嬉しい情報提供がある。アンデッド共は弾を頭に当てなきゃ倒せないそうだ。」 特殊作戦群...? 何故連中があんなチンケな森に? 特殊作戦群といえば、中央即応集団の構成部隊、自衛軍の中でもエリート中のエリートだ。 的と的の間に隊員を配置して射撃をやってるなんて話まで聞く。 一体なにをしてたんだ? 普通に考えれば逃げた王様の確保だろう。 となれば、既に王は捕まるか、死んでいるはずだ。 特殊作戦群を降り切れるはずがない。 しかしまだ発表していない所をみると... 政府の連中、なにか企んでるな... 佑都が考え込んでいるところに田井中が声を掛ける。 「隊長、そろそろ作戦開始です。LAVに乗り込んでください。」
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