第五章 震える王都

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「おい!全員生きてるか?早くここから出るぞ!」 屋根の銃座からアンデッドが入り込んでこようとしていた。 「糞!死ね!」 ナイフで頭を突き刺す。 「出ろ!出ろ!」 扉を開けよじ登る。 「全員脱出までカバー!急げ!」 一番先に出た隊員が、周囲の敵を引き付けた。 「おら!こっちだ化物!」 89式の銃声が鳴り響く。 「脱出したらミニミを回収しろ!とっとと逃げるぞ!」 「死ねオラァ!」 「隊長!取り外し完了しました!」 「よし!とっとと逃げるぞ!噛まれんなよ、奴等の足は遅い、逃げ切れるはずだ!走れ!」 「前にもいやがる!」 佑都は走りながらハンドガンで前にいたアンデッドを倒した。 「止まるな!走れぇ!」 「糞、銃声で余計に奴等が集まってきてるな。」 「また前にゾンビ!かなり多い!」 「ミニミ!後ろの奴等を撃って時間稼げ!」 そう言いながら佑都は前にいたアンデッドを撃った。 「隊長!後ろはかなりの量だ!押さえきれない!」 「糞!撃ちまくれ!手榴弾!」 後ろに手榴弾を投げた。 「爆発するぞ!」 爆発と共に大地に肉片が降り注ぐ。 「腐肉の噴水だぜ」 「前方のゾンビ殲滅!走れ!」 ついに本隊のバリケードが見えた。 「行け!行け!踏ん張れ!」 佑都は後方に回り脱出の時間を稼ぐ。 「伏せろ!!」 バリケードから声がした。 分隊員達が伏せるとともに、すぐそこまで迫っていたアンデッドの群れは粉々に粉砕された。 「佑都伍長!無事か!」 井上小隊長が駆け寄ってくる。 「ええ、なんとか、大丈夫です...」 「そうか...すまないことをした。後は任せろ、傷の手当てに向かえ。」 「了解。」 M2の重い銃声が響き渡る。 その音が響くたび、確実にアンデッドは数を削られていった。 頭に当たろうが、胴体に当たろうがバラバラになってしまうため、無力化されるのだ。
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