プロローグ~知られざる死闘~

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  「はぁっ!!!」   一体どこなのかわからないような場所、果てしなく続く緑の大草原の後ろには大きい大樹が立っている。少なくともこんな大きな大樹や自然ばかりがあふれる景色はそうは存在しないだろう。 「やぁあっ!!!」 「はぁあああっ!!!」 「でりゃあああっ!!!!」 そんな平穏な地形とはミスマッチな集団が2つのグループに分かれて戦っている。一方のグループには頭にクワガタ虫の角を生やした緑の鎧を纏った戦士と同じ甲虫の触覚を生やした赤の鎧を纏った戦士に加えて銀色の長髪を美しくなびかせた少女という3人組だ。 「・・・今日こそ貴様らには消えてもらおう」 「ふぅん」  その3人と対峙するのは悪魔のような片翼を背中からはやしたおかっぱ頭のゴスロリ風味の衣装が特徴だ。そしてもう一人はその片翼の少女と同じ禍々しい黒の色をした鎧の戦士。黒い鎧戦士はモチーフがカミキリムシであり時々黒い仮面の目の部分が瞳のように黄色く光らせた。 「えいっ!!!」 緑色の鎧戦士が右腕にクワガタムシの角をイメージしたアームの付いた手甲型の武器を装備してそのアームを片翼の少女に向けて飛びかかる。クワガタの大顎の如くのその刃に挟まれれば真っ二つに割かれてしまうだろうが片翼の少女はそれを紙一重で避ける。 「何!?・・・・っ!?・・ぐあぁあああああっ!?!?」   何処かに消えた標的を探す緑色の鎧戦士。辺りを見回しても何処にいるかわからない。神経を研ぎ澄ませながら辺りを見回すが突然上から赤黒い砲撃がかれを襲いかかった。 「ジースタッグ!!」 緑の鎧戦士【ジースタッグ】のもとへ赤い色の鎧戦士【レッドル】が向かって走る。幸い軽い傷であるようで直ぐに立ち上がる。砲撃があった方向を見てみるが其処にはもう既に少女の姿はなかった。 「消えろ、大樹の守護者どもが」 「ブラックビート!!?」 少女に気を取られている2人の鎧戦士に黒鎧の戦士。【ブラックビート】は右太腿のホルスターに収められている銃【ジャミングマグナム】で砲撃を放ち2人を凄まじい爆炎で包み込んでしまう。 「ふぅん・・・所詮貴様らは奴に遠く及ばん。消えろ、貴様ら等この世から!!」   ジャミングマグナムをホルスターに収めながらブラックビートは一言呟いた。黒い仮面に隠されて黄色い目と紅い胸を邪悪に光らせる。
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