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ゆっくりエイルは隣に座り、少年を見つめた。
少年はよく見ると、腹の辺りにいくつもの手術の痕跡が残っている。
「何か病気なのか?」
「違うよ…僕は特別なんだって」
ギュッと小さな拳が握られ、そのまま少年は呟いた。
「僕は、病気になることも、年老いることも出来ない…
だって…僕は」
あぁ…彼は──
急速に覚めゆく意識の底
もがくように、エイルは彼を抱き締めた
子供なのに冷たすぎる瞳
痩せこけた体に走る無数の傷跡
腕に残る注射痕
涙すら流さない彼をエイルは、抱き締めた。
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