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午前の授業が終わり、淳は屋上で1人寝そべっていた。
『ねぇ、山星』
『うわっ!!誰だ?』
『あなた、気にならない?』
『なんだ、佐久間玲子(さくま れいこ)か…気になるって、なにが?』
『やっぱりなんでもない。お昼寝、邪魔してごめんね。』
淳は佐久間玲子が何を言いたかったのかわかっていた。
おそらく、高野先生が亡くなった原因だろう。
『そうだ!今日明佳と高野先生の家を訪ねてみよう』
携帯を取り出す淳。
【PM12:45 着信1件】
『着信だ。誰だろう…』
淳は不思議に思った。
それは、明佳の携帯にあった着信と同じ番号だった。
淳はイタズラだと思い、その電話番号にかけてみた。
[ボーーーーーーーーーー]
なんの反応もなく、ただ不気味な機械音のようなものが1分、2分、3分とずっと鳴り響いている。
淳は仕方なく電話を切った。
その時に淳は気付いた。
電話を切る寸前、電話の奥で何かをボソボソっと呟いた気がした。
気になってもう一度電話をかけた。
しかし繋がらない…
淳はさっきのボソッと聞こえた呟きが気になって仕方がなかった。
そして、放課後に明佳を連れて高野先生の家を訪ねることを知らせるため、明佳に電話をかけた。
淳は背筋が凍った。
あの音だ。
ボーという不気味な音。
淳は耳をすまし、ゆっくりと電話を切った。
電話を切る寸前、はっきりと聞こえた。
『お前らを…』
小さくて聞きづらかったが、はっきりとわかった。
『お前らを…どういう意味だ…』
淳は混乱していた。
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