2人が本棚に入れています
本棚に追加
最期に散った夕日の赤と共に
私は幸せだ
そう思っていたのに…
痛い…何故?
痛みを感じるの?
なんでこんなに、悲しいの?
『ど……ぅ…し…てぇ…?』
涙を流せた
冷たい頬に感じた
感じないはずなのに
彼は…
私の自殺を庇って
自分は骨折したにも関わらず
病院まで運び、体力が落ち衰弱しきった彼は医者にドナーカードを渡して倒れた
電車に半身ぶつかり、片足、片手
、片目、心臓…
片方をほぼすべて失い、死ぬ寸前だった私に片方を全て提供した
そして、彼は安らかに亡くなったそうだ
バサバサバサッ
『…!』
ふと我に返った
カアカアと夕方のカラスが
電車が通るのと同時に一斉に飛んでいった……
私は今大人になった…
最初のコメントを投稿しよう!