18人が本棚に入れています
本棚に追加
/54ページ
「お店の中でね、藤田おばちゃんに会ったのよ。最初、話しかけようかどうか迷ったんだけど・・・なかなか会えないからね」
母親は、隣町にある美容院を目指して車を走らせながら、先ほどの出来事を話し始めた。
夏鈴は、1歳になるかならないかくらいの時期から幼稚園に入るまでの間、託児所で藤田おばちゃんにお世話になっていた。
託児所では、藤田おばちゃんのおかげでさまざまな体験を通し、学べたことがたくさんある。
まだ小さかったにも関わらず、夏鈴にはその頃の記憶はまだ残っているのだ。
現在クラスが同じ悠介や、クラスが同じになることが全く無かった和真も託児所にいたが、託児所での記憶を保てているのは、その2人が未だに近くにいるからなのかもしれない。
皆でプールに入った夏の日。
皆で寄り添い合った雷雨の日。
毎日のお昼寝の時間。
思い出せばいくらでも。
最初のコメントを投稿しよう!