序章

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 サシの向かい側に座るユーリヴァ・クロス通称ユーリは漆黒の髪と漆黒の瞳を持つ美しい美青年であった。  そこは、仮にも神な為神がかった美しさがある。  だが、すべての死神が美しいと言うわけでもない。時には人間と同じレベルのものもいたりする。  「その前に、フードをとったらどうだ?」    その、提案にサシは渋々という風に、フードを下ろした。  サシはまだどこか幼さを残す少女だった。ユーリのように神がかった美しさはないが、どこか安心感を生み出す美しさと暖かさを伴った容姿であった。  人間レベルで言えば十分美少女と言える。  両耳の辺りの漆黒の髪が一房肩までのびているが、あとは短く顎のラインで切りそろえられていた。  「で、中級死神でしかない私に元帥様がなんのようで?」  
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