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(…悩むなぁ) 廊下を行き交っている生徒を、廊下の窓際 の机から俺は真剣に見ていた。 細身な奴からマッチョまで。黒髪から金髪 まで。可愛い系からワイルド系まで。 新連載を始めるに及びどんなCPでいくのか は重大な問題である。 前作は、俺の担任の教師と副会長を題材に した『鬼畜腹黒副会長の優雅な調教』 だったので今度は純愛系でいきたい。 だが、その肝心のイメージになる人が 見つからないのだった。 (…ネタ探しに外行くか。) イスから立ち上がると隣の席で携帯を弄っ ていた成(ナル)が顔を上げる。 「あれ、空どこ行くの?」 「ん、外。」 「どうせネタ探しでしょ。…また、変な とこに首突っ込んじゃダメだかんね!」 「わかってる。」 ナルはとても心配性だ。まぁ、強姦現場に 出くわして俺までも襲われかけたのが原因 なのでしょうがない。 「そうだぞ、空。今では腐男子受けが流行ってるそうじゃないか」 部活に行くための支度をしていた史(チカ)も 釘をさしてきた。そしてその知識はどこで覚えたの。 「俺は違いますー!」 くそうっ、チカなんて女みたいな名前して るくせに!悪人面のくせに! 「いってきます!」 これ以上言われるのは男の沽券に関わるので 俺はそこで教室を出た。 -
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