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そして、翌朝。
「お母さん、バイト行ってきます」
「はーい。
行ってらっしゃい!」
母は昨日自分の言ったことを、すっかり忘れているように見えた。
かくいう私も、母の言っていた事なんて頭の中から綺麗さっぱり消えていた。
だから最初、玄関で母に言われた事が理解できなかった。
「ね、弥琴」
「ん?」
「お母さん、本気だからね」
「え、何が?」
「彼氏、連れてこなかったら、縁切るわよ」
言われてようやく、思い出す昨日の約束。
一年以内に私が彼氏を作らなかったら、縁を切る、という、あの約束だ。
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