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さっきまでは
祭のように
騒がしかったこの部屋は、
今は殺気立ったように
静まり返っていた
成光以外、
誰もが固唾を呑み
動けないでいた
「すっ、すいません。
この娘はまだ
入ったばかりで。
どうか無礼を許して下さい」
華屋の亭主は
成光の前に駆け寄り、
その前で平伏した
そして、顔を上げると
すぐに雪を見た
「お前さんも謝んな」
華屋のその声は
雪の耳に入ってはいたが、
雪は頷く事すら
出来ない
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