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楓は少し呆れた風に、秋姫のスタイルを眺めた。
流石に無視出来る恰好では無い。
少し葛藤があったのか、空を眺めてから親指を上げてゴーサインを出す。
スルーする事に決め込んだようだ。
善意のお手伝いに重きを置いたのだろう。
「?」
不思議がる秋姫を無視して秋継が話を促す。
「それでカリキュラムの方は?」
「スペル・コードのレベル毎に変わるデータ容量と、ロード時間の違い。そこから魔術発現から、トリガーキーに指向性の意思を乗せて発動させるまでね。分かりやすくて安全なウォーター・ブリットで標的を射撃させます」
「なるほど。だから的が用意されているわけだ」
秋継はチラリと後方に綺麗に羅列する的を見つめた。
ウォーター・ブリットは、レベルが低い内は水鉄砲を強化した程度の威力しかない。
初等部が使うには手頃と言えよう。
ただし、レベルが上がれば鉄板すら貫く威力に、跳ね上がるのが現代魔法だ。
スペルコードには、基本レベルが設定されている。
これはその呪印データに込められた魔力量を意味し、LEVELが上がるほど威力とデータ容量が増えるのだ。
メリットは威力の増加と精度の高さであり、デメリットはデータの重さからなる、リーディングの遅さと言えよう。
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