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「みっ、皆さん落ち着いてください!」
「危ないよ皆! 一先ず集まって」
楓講師と秋姫の声が飛ぶ。
導く立場として当たり前の対応だが、秋継は違った。
「サーチ・ソナーLEVEL3」
情報収集用のコードを発動させる。
どう考えても上で何かあったのは明白だ。
「……何か墜ちて来たのか? この魔力反応は魔術戦闘が行われている?」
秋継は舌打ちすると出口に向かって走り出した。
「先生と秋姫はガキどもの面倒を見ててくれ。 俺が様子を見てくる」
そう捨て台詞を残して先に進む。
背後で秋姫と楓講師が、何かを叫んでいるようだが全て無視だ。
もう一つ携帯を取り出し、両方を同時に器用に動かす。
片方は普通に電話をかける。
「高等部風紀委員の本条だ! アガルタ学園初等部、第二体育館付近でコードD発生! 警備局のハウベリー・ホーランドを出せ!」
叫びながら地下の修練場から、地上への階段を駆け上がる。
出口を抜けると、直ぐさま体育館を見上げた。
天井部分は隕石が落下したかのように、粉々に砕け散っている。
中からざわめきの声と、出口から飛び出してくる子供達が見えた。
「何がおきた!」
秋継の声に何人かの子供が振り返る。
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