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「よく分からないけど、男の人が墜ちて来たよ? 」
「先生がここから離れて、他の先生呼んで来てって言ってた」
そう告げると、生徒達は急いで校舎に向かう。
秋継は掛けっぱなしの携帯電話を見て、小さく舌打ちしてから体育館に入った。
天井が落ちたために内部は瓦礫の山だ。
怪我をした子供が出たのか、右隅に子供が二人。
中央には先生らしき人間が倒れている。
そして、その横には煤だらけの妙なダークスーツの男が立っていた。
どうやら落下して来た正体不明の存在らしい。
目付きの悪い細面の顔が秋継に向く。
「次から次へと……邪魔くさい」
険悪な視線に秋継も鋭い視線を送る。
「あんたが落下してきたのか? 怪我はなさそうだが……あんた何者だよ? それに……その手に持ってんの先生か生徒の携帯だよな?」
手にはパッションピンクの犬のストラップ付きの携帯が。明らかに当人の物には見えない。
「奴に術装端末は壊されたんでな……」
チラリと天井に空いた穴を仰ぎ見る。
上空に何かがいるようだ。
釣られて空を見上げる。
空には少女が浮いていた。かなりの高さだが容姿は見て取れる。
腰にまで届く光輝く金髪。
透き通るような碧い瞳。
ドールのように、黄金比さながらの美しい整った顔立ち。
一流モデルも顔負けの均整のとれたボディは、服の上からでも見て取れる。
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