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「今はハッキング中だから、後でな………っと」
手早く返信すると通信を切る。
様々なネットワークを経由しての通信だが、安全の為に通信はしないに限るだろう。
何せ秋継は電脳空間にダイブして、現在ハッキングの真っ最中なのだから。
「今日はもう落ちる。アーニャに代返は頼んだが、流石に昼前には学園に行かないとまずいからな。後始末は任せるぞアーデル?」
『おっけ~』
気の抜けた返事をしながら、アーデルは景色を眺めている。
リアル側の風景が、アーデルにはかなり斬新に映るのだろう。
「お前もほどほどにしとけよ。電子精霊の存在を観測したい奴は、腐る程いるからな?」
秋継は警告だけして、ハッキング中のシステムからサイバーギア【電脳体】を切り離す。
サイバーギアとは電脳空間にダイブ出来るコードエイジの、意識を投影した分身の事である。
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