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授業終了を告げるチャイムが鳴り響いた。
教師の終わりの挨拶と共に、何人かの生徒が廊下に即座に飛び出していく。
向かう先は、限定三十食の特製フカヒレ揚げパンのある購買店だ。
直ぐさま教師に怒鳴られている光景も、何時もの出来事と言えよう。
「秋継、お前昼メシどうすんだ?」
仲の良いらしい生徒が声をかけて来るが、秋継は大きな欠伸をして机に俯せた。
「とにかく眠いから昼寝するわ。メシは後で適当に買うから気に……するな」
直ぐさま寝息を上げ始めた秋継を見て、生徒たちから苦笑が漏れる。
満足に授業を受けず昼寝ばかりしているさまは、最近頻繁にあり過ぎる光景だ。
そこにメールの着信音が響く。
仕方なくチラ見すると、送信主はアーニャと表示されていた。
そこには、『毎朝代返させるなカス野郎! 少しは慎め。毎晩何やってやがる!』と書かれている。
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