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秋姫は秋継の頭に手を添えると、そこを支点に肩車から器用に脱出した。
半回転して綺麗に床に着地する様は体操選手のようだが、スカートが捲れているのはお構い無しだ。
何事も無かったかのように、一枚の便箋をブレザーから取り出す。
それを顔の前に突き付けられて、秋継は紙媒体は珍しいと考えながらも、仕方なく書かれた文章を読んだ。
“話は春雄から聞き出しました。授業中に抜け出すなんてナンセンスと言うしかないわね。よって前回の監督役のポイントは全て没収。逆にサボリと見なしてマイナス1ポイントを贈呈するわ』と書かれていた。
秋継はあんぐりとそれを眺めてから、青ざめた顔で笑顔の秋姫に目を移す。
「マジか……これ」
「マジだよマジ! かわりに追加の補習課題貰って来たよ!」
何故か嬉しそうに呟くと、今度はメールを送信して来る。
秋継は渋々内容を確認すると、疲れた顔で肩を落とした。
そこには、新たな補佐内容が記載されていた。
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