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頭の鈍痛がゆっくりと鎌首を上げるように、ジワリと意識に食い込んで来た。
秋継は面倒臭そうに瞼を上げる。
目の前に二つ山が見えた。
「……?」
山の間から太陽がひょいっと昇る。
「目が醒めましたか?」
その美しい太陽は単調にそう呟いた。
まどろんだ頭に、その美貌はゆっくりと染み渡る。
「はっ?!」
秋継はようやく自分の置かれている状況に気がついた。
自分が見知らぬ一室にいる事と、例のパンツ丸見え少女にひざ枕をされている事に。
先ほど見上げた山は彼女の豊満なバストである。
慌てて立ち上がるのを、少女は不思議そうに眺めた。
「どうなってんだ一体? 何処だここは?」
驚く秋継とは対照的に、彼女は鉄面皮で右側を指差した。
指をさした先、隣の部屋を見ると昏倒してる男が三人転がっている。
「彼らがこのアジトを提供してくれました」
しれっと喋る少女を睨みつける。
視線が明らかに怪しいと物語っていたが、少女は特に気にした風も無い。
「……状況を整理しよう」
秋継は額に手を当てて考える。
気絶していたので考える余地はない事に、三十秒かけて気がついた。
秋姫のチン(顎先)を掠めた一撃が効いているようだ。
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