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「状況説明ですか! 情報が欲しいですか! そちらの情報もくれれば、情報を開示するのも吝かではありません!」
「……?」
何故か少女は無表情で“ウキウキ”し出した。
まるで情報を教えることに何か意味があるかのように。
「……あっ~。よく分からんが、こちらの質問に全て答えたら、こちらの情報も教えてやる」
「Ja(ヤー)! その取引を認可します」
表情は堅いのに、何故か喜々としていると感じる。
秋継は眉根を寄せた。
しかし、今はあれこれ考えても栓が無い。
「んじゃ、まず何故ここに居るんだ?」
「Ja! アルファが運んだからです」
「……? アルファって?」
「この筐体のオペレーションネームです」
何故か少女は自分の胸を抑えて、胸を張って喜びを現しているように見える。
秋継は頭をボリボリ掻きながら片眉を上げた。
「質問が悪かった。俺が気絶してからの、状況を時系列順に説明してくれ」
「Ja! 1105に対象を保護。安全の為に敵性戦力を無効化してから、追加戦力の接近を確認。1107に移動開始。追尾戦力を振り切る為に市街へ転進。1135、民間人に接触。民間人の好意で隠れ家を確保。情報対象が昏倒しているので現場待機。そして、現在に至ります」
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