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「……分かりにくい」
少女は露骨に驚いたと言わんばかりに身体を一歩引いた。
秋継の言葉に酷く落胆したと表現しているようだ。
ただし、表情は変わっていない
「とにかく俺が質問するから、それについて話せ」
少女は小首を傾げてからヤーとだけ答えた。
「俺が秋姫に殴られてからどうなった?」
「秋姫? 保護対象を殴ったエネミーとして登録」
「ちょっと待て~!!」
大声を張り上げて少女の偏った情報変換を止める。
「まず保護対象って俺の事か 」
「Ja」
即答に秋継の方が黙り込む。数瞬考えてから、ゆっくりと説明しだした。
「まず、俺、俺は本条秋継。オッケー?」
「……対象を本条秋継と登録します」
機械的な返事に違和感は脱ぐえないが、一先ず納得する。
「それで、俺を殴った凶暴コスプレ娘が、俺の幼なじみの悠弦秋姫。凶暴だが敵では無い」
「……。中立として情報を更新します」
「まっ……まああ、いいか。で、あの後どうなったんだ?」
「当時、敵性戦力と思われた悠弦秋姫をスタンショックで無力化。本条秋継を背負ってその場を離脱しました」
「へっ?」
間の抜けた返事だが、少女は相変わらずに気にしたそぶりは無い。
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