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「よし。これで取り合えずは戦えるな」
手にしたガードブレードを、逆手持ちで両手にはめる。
グリップの握り具合を確かめる姿を、アルファは食い入るように眺めた。
それに気付いて秋継は怪訝な顔をする。
「何だ……? この形の術装端末が珍しいのか?」
「その型番のコード・デヴァイスは私のデータバンクにはありません。それは特注のものと判断します」
「あたりだ。これは俺がカスタマイズした専用デヴァイスさ」
器用に両手の術装端末を回転させると、わざとらしくポーズを決めて見せる。
それをしれっとした顔で無視して、アルファは秋継の瞳に注視した。
そこに映るアーデルの姿を認識しているかのような表情だ。
「やはり……秋継はどこかの国のエージェントでしょうか?」
「はぁ? 何でそうなる。俺はただの学生だぞ」
「戦闘用のコード・デヴァイスの不正所持。EDENにハッキングし続ける技能に行為。最重要秘匿項目――電子精霊の所持。全て魔科学都市バビロンへの背信行為です」
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