8人が本棚に入れています
本棚に追加
アルファの言葉に秋継はきょとんとした顔になり、次第に吹き出すように笑いだした。
腹を抱えて笑い出しそうな勢いに、聞いたアルファが珍しく微妙に目を見開く。
「アルファの演算予測に何が不都合な点が?」
「ありまくりだダ~アホが。戦闘用のコード・デヴァイスの不正所持? EDENへのハッキング? 電子精霊の所持? それがどうした。揃うと何で他国のエージェントになる」
急に冷めた表情に変わった秋継の態度に、アルファはゆっくりと首を傾げた。
理解不能と言った趣きだ。
『こう言う理論的に見えて、単純思考なのがアホロボっぽいよね~』
アーデルの馬鹿にしたような声が聞こえるのか、アルファの眉が微かに動く。
「では、何故そのような行為を? 自国の利益に全くなりません。逆に不利益になる行為ばかりです。アルファには理解しかねます」
無表情だが早口気味なのは怒りの表われか?
その言葉を聞いて、秋継は大仰に舌打ちした。
いちいち説明する気にはならないが、アルファの悪気の無い質問が続くのも煩わしい。
「俺は……人捜しをしてるんだよ。自主的にな」
最初のコメントを投稿しよう!