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「どうやって気づきやがった?!」
ノイズ混じりの異音と共に、アルファの後方とアーニャの背後に人影が浮かび上がる。
まるで蜃気楼から人が浮き出た、奇妙な切り絵のようだ。
浮き上がって来たのは、ダーク系の迷彩服にゴーグルをかぶった男達だった。
アーニャの背後にいる男はショットガンらしきものを、アルファの後方の男はランスらしきものを手にしている。
術装端末で拳銃型は警官以外では珍しい。
何故ならば遠中距離攻撃が可能な魔術は多く、わざわざ遠距攻撃のみを強化するより、近接、中距戦闘用の武器を持った方が戦略の幅は広がるからだ。
それを敢えて遠距離主体にする以上、それなりの理由が考えられる。
(シールド……魔法障壁破りの特殊弾頭と考えるのが普通か)
秋継はわざとらしく歯ぎしりした。
遠距離の銃にする以上、狙うは遠距離からの防御魔術破りとしか考えられない。
弾丸にはスペルプリントと原理は同じ、儀式餞別した呪印弾頭ブリットと言う物が存在する。
弾丸一つにスペルコードを内蔵した、完全な使い捨てのものだ。
着弾発動するため威力は絶大であり、同箇所をヘッドショットすれば魔法障壁をいともたやすく貫通する。
使い捨てにするため、かなり高価な品物であり軍隊装備に近い。
一発が高価な為、潤沢な資金が無ければまず使用出来ない武器と言えよう。
「これみよがしに金持ち装備しやがって」
秋継の愚痴はただのやっかみだが、武器性能の差はそのまま彼我の戦力差と言えよう。
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