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「決まりましたか秋継? 相手がこれ以上様子見をしてくれる確率は、極端に落ちていきます。早々の判断を所望します」
アルファが軽く催促してくる。
無表情なので急かしている筈なのだが、緊張感はまるで無い。
「彼我の戦力差は?」
『三倍ちょっとやや上かな。ちなみに一人に対して』
「やれやれだな……俺はガンナーを狙う。アルファはランスを任した」
秋継の回答に、アルファは微妙に驚いたようだった。
瞬きを三回したのが、この少女なりの表現である。
「私の予測では、秋継はランスを選ぶと導き出しました。何故、ガンナーなのですか?」
「まあ、やり易さならランサーだろうが……流石に無手の女の子に、キツイ方を任せるのは気が引ける……って所かな」
その言葉にアルファは小首を傾げた。
「私はバイオノイドですが?」
「気分の問題だよ。少なくてもアルファは美少女だからな。カッコつけるのも悪くない」
秋継は手にしたガード・ブレードをくるりと二回転させる。
余裕を見せると言うよりは、緊張をごまかしているだけでしかない。
「Ja! 了解しました。私は美少女と認識しておきます」
「お~い。自分で視覚誘導がなんたら言って置いてそれかい! まあ、俺の個人的意見に留めておけよ。人には好みがあるから」
「Ja! 了解しました。秋継が個人的にむしゃぶりつきたい美少女に訂正します」
「……いや、まあ、いいけど」
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