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ジャラリと鎖の音が暗闇に響いた。
両手・両足が重い……
身体の至る所で激痛がする。
あれから何ヶ月経過しただろう…。
分からない…。
時計はない。
窓もない。
あるのは子供の力では動かない重い扉。
「…いてぇ…」
動こうとすると両手足から血が出てくる。かなりキツメに枷を付けられたからだろう。
動くたびに締まるようになっている。
私が―逃げないために。
ガチャン! と重い音がした。
今日も入ってくる…。
ド変態のクソヤローが。
人を舐め回すような目。
唇を舐め快感に浸る顔。
私はコイツから想像を絶する"拷問"を受けている。
「よぉぉう。 まだ死んでないよネ?
まぁ? 簡単に死んでもらっても困るのだけどネ」
パシィン! と馬を叩く鞭をしならせながらコイツは言った。
"あの日" から毎日毎日。
正直、気を保っているのがやっとだ。
「さて、そろそろ始めよう。」
そう言うと男は両手で持っていた鞭を片手に持ち変え私の向きを背中に変え叩いた。
バシィン!
「ぅぁぁぁああ!」
「んー。 いい声、だ!」
バシィン!
「あ゛あ゛あ゛あ゛ア゙ア゙ァァ!」
獣の呻き声に似た声が出る。
"もう殺してくれ" と言った声が頭の中から聞こえてきた。
辛い…。辛い…。 ツライ…
―――――
「ぅ…ぁ…ぁぁ…ぁ」
「気を失ったかな? それとも、死んだ?」
カクンと頭が落ちた。
意識が遠のく。
男の声が途切れ途切れに聞こえる…
もう、ダメだ…
このままだと、本当に殺される―…。
「…もういいか。 おやすみ。 また明日」
バタン! カチャ
逃げるしかない。
逃げて、逃げ切るしかない。
私は決断した。
それと同時に溜まった憎悪が
身体中を駆け巡るのを感じた。
脳が活発したのも感じた。
また自分で制御できないなにかに襲われた。
憎悪は
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
その名の通り私の身体を駆け巡り
ギリギリ!
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
私が私自身を
バギィン!!!
完全に支配した。
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