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カツリ、カツリと歩く後に、ぴちゃりぴちゃりと濡れた跡が続く。 一つの物が、一つの境目を持たず次の物を呼び込むようにつながりながら雨は降り、また地面で大きな一つに戻る。 そのほんの、最後の瞬間の前で、手を離してしまった欠片が私の靴に当たり濡れるのが好きじゃない私を少しずつ、少しずつじんわりと湿らす。 どうしてかしら。
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