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私はその音と共に少し幅の広い横断歩道を渡り、向かいに着いた。 先を急ぎながら、歩きながら、ほとんど歩行者の居ない信号機がどうしてあんなに大きな音で歩く人を追い立てるのだろうかと不思議に思いながら私はひたすらに歩いた。 また、 「どうしてかしら」 口にしてみる。 こんな水の降る中を進んでいるのに唇が乾くのかうまく動かない口内を無理やり動かした。
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