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  「………帰る。離せ」 「嫌だと言ったら?」 俺はギロっと睨んだ。 すると仁は、失笑し渋々離した。 「…なぁ、怒った?可愛かったぞ?」 「…………………」ギロリ 俺はフードを被り直した。 「送るぞ?」 「いらん。」 「……また来いよ。俺、夜中にここ結構来るんだ。」 「…………………」 俺は何も言わず、裏庭を後にした。  side仁 「……また来いよ。俺、夜中にここ結 構来るんだ。」 「…………………」 奏汰は何も言わず、その場を去ってしまった。 だけど、俺は見た。 一瞬目を見開き、少し顔を赤くするところを。おそらく、本人は気づいてないんだろうけど。 俺は再び、ベンチに座った。 ……ほんと、可愛いなぁ。 そっちの趣味はねぇよ?男を抱きたいとかまっっったく思わないんだけどさ……… 奏汰はどうも狂わされる。 理性が抑えられねぇ… ごくたまに見せる、あいつの真っ赤な顔した表情。 それが可愛いすぎて… …何か俺すげー今キモいな。 「kingってほんと可愛いな。」 「………………お前か。」 「………今のあんたの心情」 「珍しいな、学園にいるの。」 「実は2日前からいたりする。」 「どうでもいい情報ありがとう。」 「お礼とかてーれーるー(棒読み 」 こいつは一体何しにきたんだ。 てか、もしかして… 「見てた?」 「何を?」 「……俺らのやり取り?」 「グリンピース辺りからガッツリ」 割と最初の方から見てんじゃねぇか。 「…敵は意外と近くにいる。」 いきなりボソッと言われた。 「は?」 「気を付けなはれ~」 俺は引き留めたが、奴は振り返らず去っていってしまった。 どういうことだ… もしかして、最近夜中に起こる強姦の事件のことか? ってか、奏汰は知ってるのだろうか………ハートが学園にいることを。
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