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僕のドキドキがこれ以上無いくらい加速し始めた。
すると陽菜ちゃんが口を開いた。
「ねえ、陽太君。
明後日帰っちゃうんだよね。」
僕は陽菜ちゃんの上から離れ、陽菜ちゃんの右に同じように寝転んで眩しい空を見ながら答えた。
「うん。
明日お父さんが来て明後日の朝帰るんだ。」
「陽菜、ずっと陽太君と遊びたいな。」
「僕だって。
でも、帰らなきゃいけないんだ。」
「つまんないの。
せっかく友達になれたのに。
ねえ、帰っちゃっても、
また遊びにきてくれる?」
「うん、僕も陽菜ちゃんとまた遊びたい。」
「いつ来るの?」
「わかんない。
でも、絶対にまた来るよ。」
「うん、絶対だよ。」
でも、翌日お父さんの都合で1日早く帰ることになり、それっきり陽菜ちゃんとは会えなくなってしまった。
お別れの挨拶もできず、申し訳ない思いをお父さんに当たり散らしたが、理由を言うことができず、車の中で独りすねていた。
その後、冬にお母さんが亡くなり、以後母方のおばさんの家に遊びに行くことはなかった。
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