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おばさんの家も約10年ぶりであったが、皆変わらず元気そうだった。
変わったのは僕の方だ。最後に直接会ったのは中3の冬、母の七回忌だったけどそれから3年半経っているのだ。
それでも快く受け入れてくれ、まだ未成年なのに、ビールまでごちそうになった。
元々聞いてみようとは思っていたが、少々アルコールの勢いも借り、切り出してみた。
「小学生の頃来たとき、陽菜ちゃんって女の子と一緒に遊んだんですけど、知ってますか?
たぶん僕と同い年の。」
「ヒナちゃん…ねえ、
んー、おい、ヒナちゃんってこの辺にいたか?」
おじさんはすっかり酔っていた。
「ん、なんだって?
陽太君、これ、食べな。」
おばさんが台所からスイカを持ってきた。
「陽菜ちゃんって女の子。
たぶん僕と同い年…」
「あー、高野さんとこの陽菜ちゃんじゃないかい。」
「高野さんとこのあの子か。」
思いきって聞いてよかった。
連絡がとれるかもしれない。
「陽太君、陽菜ちゃんと知り合いだったのかい?」
「小学生の頃来たとき、とうもろこし畑で一緒に遊んでたんです。」
「そう、そうだったのかい。」
なんか違和感を感じた。
「陽菜ちゃん、
元気、なんですか?」
「陽菜ちゃんはね…、
陽太君が来た次の年の秋だったかな。
事故でね………。」
僕は自分の耳を疑った。
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