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翌日、おばさんが軽トラで高野さんの家に連れていってくれた。
高野さん…陽菜ちゃんのお母さんとおばさんと僕は3人でお墓参りに行った。
お墓のある高台に行く途中、あの日僕達の遊んだ話を高野さんにすると、
「そうかい、わざわざありがとうね。
陽菜も喜んでるよ。」
そう高野さんは言った。
僕はお墓の前に来てもなんかピンとこなかった。
これが陽菜ちゃん?
でも納得できないことなんか世の中にはたくさんある。
僕はそれでも謝らなくてはいけないと思い、お墓に向かって何度も『ごめんね』と謝った。
「そうだね、あの夏はスゴく機嫌がよかったのが急に駄々をこねたり泣き出したり。それから少しの間あまりしゃべらなくなったもんだ。
いいじゃないか、小学生だったけどこんないい男と恋してたなんて、あたしの娘にしちゃ上出来じゃないか。
女の子は恋もしないで逝っちゃったら可哀想だからね。」
あれが恋だったのかどうかは、当の本人でも答えは出せないところだが、でも間違いでもないだろう。
それから蕎麦屋でお昼をご馳走になり、おばさんの家に帰ってからまた外に出た。
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