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それとも、他の部屋を訪ねてきた人が部屋を勘違いしているのかもしれない。
とりあえず、用心に越したことはないので
右手に携帯を握り締める。
意を決して角から出た。
すると人の気配を察したのか、くるりとドアの前の人物がこちらを向く。
「………え?」
その人物はスタスタと歩いてくると、目の前に立った。
チョコレート色のダッフルコートが彼の雰囲気によく似合っている。
「来・ちゃ・っ・た」
寒さで少し赤くなった頬に悪戯っぽい笑顔が浮かぶ。
「ふ、…風斗君…?」
そこには、通路の明かりに照らされて橘風斗が立っていた。
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