プロローグ:成人の日に

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お座敷にはテーブルを挟んで、両親に姉夫婦、そしてなぜか両親の友人だという橘夫婦。 わたしの成人の祝いになぜわたしと面識のないご夫婦が出席して下さっているのかは分からないが、 この上座…なんか疎外感ハンパないんですけど…。 談笑する他の人々をぼんやり見やりつつ、 ほとんど減っていない膳に向かってこっそりため息をつく。 帯が重くて苦しくて、豪勢な食事もあまり喉を通らない。 主役らしい営業スマイルももう止めていいだろう。 若干、微笑み過ぎで頬がピクピク痙攣していることだし。
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