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「もう、あの子ったらまだ来ないのかしら?」
落ち着かない様子で橘夫人がバックから携帯を取り出して確認する。
あの子って?
「失礼いたします。お客様、お連れ様がお見えでございます」
ちょうどその時、襖の向こうから従業員さんの声がして、
からり
と襖が開いた。
「遅くなってすみません」
そんな台詞と共に、やたら人目を引く綺麗な男の子がお座敷に入ってきた。
くりりとした明るい瞳に、華奢な手足。
まるでアイドルみたいだ。
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