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「今日からお前も立派な大人だ。
そこで、お前に話しておきたいことがある」
一体何だというのか、
常にない父の真面目くさった口調に、思わず無言で頷いていた。
父は頷き返すと、
次いで橘家の息子へ向かって頷いた。
心得たように、少年が立ち上がる。
わけが分からない。
「美奈、彼は橘風斗君。
お前の許婚だよ」
いいなずけ―――??
その瞬間の驚愕を何と言って表現したらいいのか、非常に悩む。
とりあえず、目は文字通り点になった。
少年と父を交互に見て、
…だめだ、呼吸困難に陥りそうだ…
少年は完璧に爽やかな笑顔でこう言った。
「これからよろしくね。
おねーさん 」
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