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遥は何をしたのか?
答えは簡単。
気配を消し大きく助走をつけて、強烈な蹴りをぶちかましただけである。
蛇は本来、ピット器官等を用い、獲物の放つ赤外線をキャッチし、追尾する習性を持つ。
アンダーワンダーランドの、いやフラグメントであってもその習性は変わらずにあったのだろう。
だから、
気配を遮断し認識できなかった遥の蹴りは見事に決まったのだ。
柚「ふぇ…誰ぇ?」
涙声で聞く柚華に
遥「名乗りは後程。貴女は此を被って暫くそこに居て下され。直ぐに奴を片付けます!!」
と、コートを渡しながら声を掛けた遥。
柚「うん…ありがと。」(モソモソ)
小さな声で感謝の意を延べ、コートを被り縮こまる柚華。
彼女を庇うように立つ遥。
狙ったようにムクリ…と身体を起こすフラグメント。
そして
フラグメント「グガァ!!」
蹴り飛ばされた恨みを晴らすかのように、遥目掛けて飛び掛かるフラグメント。
それを、
遥「っ!!」
下から叩き上げる。
と、同時に
ボンッ!
と云う音が響く。
フラグメント「!?!?!?!!」
何が起きたか解らず混乱するフラグメント。
遥「拙者お手製、炸裂手袋である。まだまだあるぞ?」
遥の手には何時の間にか黒いグローブが嵌められており、その甲の部分からはまだ新しい煙が上がっている。
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