第零話 目覚めと戸惑い

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「一度、落ち着いてみよう」 ふぅ…はぁ…と目を瞑り深呼吸してみるが現実は変わらない 端的に言えば幼児と言える身体 鏡が無いので顔つきはまでは分からないが、多分、記憶に残る自分の顔では無いだろう事が嫌でも解った 手で触った感じ日本人にしてはやや鼻が高いし、肌もアジア特色の黄色ではなく北欧系な色白だ 一抹の不安を感じ、下腹部を確認するとアレの存在はあった どうやら女になってしまった可能性だけは無いようでホッと溜め息が漏れる …さて、再確認だ 万が一身に覚えもないが多分俺は死んだのだろう テンプレならば、前世の記憶を持ったままの転生か、所謂憑依的なものなのだと仮定する それに記憶に残る我が故郷たる青き星に、こんな真っ赤な地表を持った地域は無いはずだ 「ギャグワッワッギャグワッワッ!」 なによりも大空で奇声を上げながら、我が物顔で飛んでいる巨大な爬虫類 地球上にあんな竜など、所謂ドラゴンが生存、否、存在しているわけが無いのだから
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