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「結構人口の多い都のようだな」
ゴツい鎧を身に纏った守衛に見咎められる事もなく、通用口を素通りし誰の目にも留められる事なく、街へ入ると目に入ったのは他種族溢るる異世界に相応しい一種のカオスであった
「色々と旅をしてきたが、ここまで他種族が入り乱れた街は初めてだな」
ひょいと街中にあった高い塀の上に登り、眼下に広がる人々の動向を眺める
旅したおかげで色々と情報が集まった
いま俺がいるこの世界は、前の俺がいた世界と異なる事が解った
異世界、なんて言えば様々な違いはあれど、一番の違いはやはりこれだ
魔法
そう、魔法なんてものが存在する世界だったのだ
祝詞にも似た詠唱によって繰り出される(無詠唱もあるが)それには属性何て物があり、火を灯すや水を湧かせるなど生活にも使えそうな初級魔法、大地を抉り地形を変える大魔法や、風で空を飛ぶ(単体で)などのある種人類の夢みたいな物まである
細かく説明すると切りがないが大まかに分けると…
とか思考を加速させていれば、くぅーっなんて可愛らしい音がお腹から鳴り、身体が食べ物を欲っして訴えかけてきた
「…久々にうまそうな匂いに釣られたか」
そう独り自嘲し再び塀から雑踏へと飛び降りると、取り敢えず腹ごなしをすべく俺は街の喧騒の中へと消えて行くのだった
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