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それから1週間後の週末。
新入社員の歓迎会なんて
行事が行われていた席で
予想通り東雲部長に
ベッタリな吉野。
だけど前島チーフは
全然気にしてないらしく
勝田課長と楽しそうに
酒飲んどるし。
婚約してる者同士の
余裕ってやつなんやろか？
しかし東雲部長が
トイレに行こうと席を立つと
それを追うように吉野も
宴会場を出て行った。
あかん。
このパターンは危険や。
そう思った俺は、
すっかり目の座り始めた
グッチーを放置して
吉野の後を追った。
長い廊下を抜けた先
右に曲がろうとした所で
俺の目に飛び込んで来たのは
予想通り東雲部長に
抱きついている吉野の姿。
やっぱこうなってると
思っとったけど
影に隠れたまま
一応二人の様子を見守る。
東雲部長が吉野みたいなガキに
なびく事なんてないやろと
思ってたし。
「どうしてですか？」
涙まじりに聞こえて来る
吉野の声は完璧に演技やな。
そう思いながら
聞き耳を立てる俺。
なんかスパイみたいな気分。
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