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鳩が豆鉄砲食らったみたいに
ポカンとしてる吉野に
もういっちょ捨て台詞。
「抱いてくれへんやったら
会社辞めんのやろ?
エエで、さっさと辞め。
ここの会社はな、
努力する女しかモテへんから
よその会社行った方がエエ」
「なっ…」
吉野が何か言い返そうとした時
すっかり二次会メンバーの
確認に奔走させられていた
勝田課長の声が響く。
「橋本ぉぉ!
お前、坂口連れて帰れ!」
…あ~やっぱし?
振り返った先には
すっかりダウンして
歩道に座り込んでる
グッチーの姿。
歩み寄ってグッチーに肩を
貸して立ち上がらせながら
クスクスと笑った。
今夜俺がお持ち帰りすんのは
女やなくてグッチーかいな。
「おいグッチー、しっかりせぇ」
「ん~…橋本ぉ…気持ち悪い」
「吐くなや!吐いたらほちゃるで!」
「へへへ…捨てちゃいやー」
ヘラヘラと笑みを見せる
グッチーに大きくため息。
…あかんわこりゃ。
せやけど今日はグッチーが
いてくれて良かったかもしれん。
東雲部長と前島チーフの
ラブラブ見せられて
なんやちょっと孤独感に
包まれとる俺やったし。
はぁ~…
早く俺も千夏以外の誰かを
思いっきり愛してみたいもんや。
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