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けれどみんなに囲まれて
嬉しそうに微笑む千夏の
表情を離れた場所から
見つめながら、
これで良かったんやなって
思えたのは…
同じ思いを抱えていた
美杏の言葉だったかもしれん。
そう思いながら
ふと視線を送った先の
美杏と何故か視線が絡まる。
…なんやねん。
まだ喧嘩し足らへんのやろか?
せやけど負けたら
男がすたる思って
俺も視線を逸らす事無く
美杏をじっと見据えてやった。
お互いが逸らせないまま
絡み合う瞳。
…あれれ…?
なんでや…?
なんで俺の胸がドキドキしとんねん。
酒飲みすぎたか?
いや、そんな飲んどらんよな俺?
と、その時。
俺と美杏の視界を遮ったのは
東雲部長やった。
「橋本、今日撮った写真
なかなか良かったぞ」
「あ…おおきに」
「うん。
特に、この写真が良かった」
そう言って東雲部長が
デジカメを俺の手元に
差し出した。
そこに映っていたのは…
少し恥ずかしそうに
笑っている美杏。
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