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「アンタやっぱり
バカなんじゃないの?」
「は?」
「見た目の問題じゃないわよ。
遠距離恋愛を乗り越えて
またこうして二人が
寄り添い合えるようになるまでの
過程がステキだって意味よ」
いちいち細かい事言うなや。
そう思っても確かに
美杏の言う意味は分かる。
2年もの月日を乗り越えて
お互いが目指したポジションを
確実に手にしている二人は
生半可な気持ちで
結びついてる訳じゃない。
にしてもだ。
何でこの女はこんなにも
不愉快極まりないんだろう。
絶対にこういう女は
嫁に行きそびれて
お局になるんやろな。
そう思いながら鼻で
フフンと笑ってやった。
「じゃあな橋本」
ポンと俺の頭を叩いて
出発ゲートに進んで行く
東雲部長を見送りながら
ガキ扱いされた気がするけど。
やっぱあの人、カッコエエわ。
「前島チーフ、俺、
絶対に東雲部長みたいな
カッコエエ男になるわ」
そう宣言した俺に
前島チーフは肩を揺らして
笑っている。
でも俺は、
あのバカ女を絶対越えて
必ず全社No.1になってやる。
そう心に誓って空港を後にした。
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