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蝉の声が激しくなる頃、世間一般は夏休みの最中だろう。もちろん、この世界を守っている「陽炎団」も現在休暇中であった。
「ふぅ…。この休暇中に少しでもお金を稼がないと、あの子たちが使ってしまいますからねぇ」
そう彼は呟きながら、ファミレス店の衣装か、それを丁寧に脱ぎ、次に黒い、赤い剣の紋章の入ったコートを羽織る。
PPPP…
「…はい、「陽炎団」NO.1黒道 鴉(くろみち からす)です」
この彼こそ、「陽炎団」リーダーの男だ。黒い髪に、黒い瞳。猫毛の髪は少し子供らしい印象を与えるが、「陽炎団」の中では最年長だ。
「それで、休暇中の私に何か用ですか?総務」
『休暇中に悪いが、早急に倒して欲しい相手が現れた。後に詳しい詳細は送る。頼むぞ」
「…御意」
鴉は、電話を切ると次にメール画面を開き、「陽炎団」各メンバーに今言われたことを伝える。
こうしていつものごとく、「陽炎団」は動き始める…。
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