白い封筒

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ドンドンドン! ドアを激しく叩く音で孝志郎さんは起きた。 ゆっくり布団から出てドアを開けると隣の203号室の住民である兼松遥がいた。 「あー、はるちゃん。おはよう。どーしたの?こんな朝早くに。」 いつもどおりゆっくりとした口調で話す孝志郎さんに遥は呆れ顔で言った。 「孝志郎さん。いま12時過ぎてます。」 少し寝ぐせのついた黒髪をボリボリかきながら孝志郎さんは言った。 「え、もう昼なの?寝てて気づかなかったや。」 「ほらホームズも忘れてる。」 遥はムチムチの茶色の猫を孝志郎さんに渡した。 「お、ホームズ。いないと思ったらはるちゃんのとこにいたのか。」 孝志郎さんはホームズと呼ばれるデブネコを抱え上げた。 「で、なに?」
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